コンテンツへスキップ
©Hachi Record Shop and Bar
夏の暑さもひと段落。
秋の足音も聞こえてきて過ごしやすい季節になってきましたね。
秋といえば食欲の秋……
今回のArticleでは久しぶりに映画の話でもしてみましょうか。
クイーンを題材にした映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットも記憶に新しいところですが、最近ジャズを題材にした映画が続々と上映されています。
現在日本順次上映中の『マイルス・デイビス クールの誕生』に『真夏の夜のジャズ』4K版 !!
動くジャズ・ジャイアント達を大画面で見れる!
ジャズ・ファンにとっては嬉しい限りです。
というわけでちょっとジャズを題材にした映画、特にジャズ・ミュージシャンを題材にした映画をまとめてみました。
ジャズ・ミュージシャンを題材にした映画なので『ラ・ラ・ランド』や『セッション』、『ジャズ大名』や『スウィング・ガールズ』なんかは除外ですw。
『5つの銅貨』(1959)
この映画は僕が子供の頃、クリスマスの時期になるといつもテレビで放送していて当時はこれがジャズ映画であるとは勿論分からず見ていた記憶が。
トランペット、コルネット奏者のレッド・ニコルズをモデルにした映画でルイ・アームストロングが本人役で出演していましたね。
いつの頃からかクリスマスになってももうこの映画はテレビで放送しなくなったなぁ。
『死刑台のエレベーター』(1958)
こちらはジャズ・ミュージシャンを題材にしているわけではないですが、フランス映画界の巨匠ルイ・マルの初監督作品でマイルス・デイビスが全面的に音楽を担当。
マイルスは映像を見ながら即興で演奏、映画音楽を作ったことで有名な映画ですね。
1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様を収めたドキュメンタリー映画。
監督はマリリン・モンローを撮影した有名写真家のバート・スターン。
モンク、ソニー・スティット、チコ・ハミルトン、アニタ・オデイ、ジェリー・マリガン、ルイ・アームストロング等の迫力あるステージが楽しめる・・・そうですが僕はまだこの映画、見てません。
しかし、なんと現在4K版で全国の劇場で公開中、急いで見に行かねば!!
『ラウンド・ミッドナイト』(1986)
監督はフランスの巨匠、ベルトラン・ダベルニエ。
主演はデクスター・ゴードン。
ボビー・ハッチャーソンやハービー・ハンコックも出演。
音楽も担当したハンコックはアカデミー作曲賞を受賞。
パリを舞台にジャズを扱った映画、巨匠ダベルニエによって芸術の域にまで昇華されている作品です。
余談ですがダベルニエの1984年の前作『田舎の日曜日』は大好きな映画です。
『バード』(1988)
ジャズ・マニアであることが有名なクリント・イーストウッドが監督。
彼のアイドル、チャーリー・パーカーを題材にした伝記映画でフォレスト・ウィテカーがパーカーを演じます。
クリント・イーストウッドはチャーリー・パーカーの生演奏を見たことがあるそうで、そのプレイに衝撃を受けたイーストウッドはパーカーの映画を撮ることを心に決めたそうです。
パーカーの友人役としてディジー・ガレスピー本人が出演しています。
『モ・ベター・ブルース』(1990)
スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演。
音楽にはブランフォード・マルサリスとテレンス・ブランチャードが参加。
コルトレーンの『至上の愛』にヒントを得たスパイク・リーがデンゼル・ワシントン演じる架空のトランペッター、ブリーク・ギリアムの半生を描きます。
フィクションですがこの映画にはマイルス、コルトレーン始めジャズの巨匠達へのリスペクトとオマージュに満ちています。
ラスト、コルトレーンの『至上の愛 承認』が流れる中ブリーク・ギリアムのその後が走馬灯のように流れるシーンは印象的です。
『ブルーに生まれついて』(2015)
Amazon Primeで配信中!
イーサン・ホーク演じるチェット・ベイカーの伝記?映画です!
?をつけましたが、これは伝記映画と謳っているのですがチェット・ベイカーのビジュルや音楽からくるイメージが先行してベイカー像がかなりデフォルメされているのではという印象からです。
しかしながら僕的にはこの映画すごく良くって、
何が良いかというとイーサン・ホークが良いのです。
若い頃のイーサンはなんだかチャラいイメージがあったのですが、歳を重ねるごとに演技が良くなって、情けない男の役をさせたら右に出るものはいないんじゃないかとw。
ドラッグに溺れるベイカーを好演!!
楽器の演奏シーンは吹き替えですが、『マイ・ファニーバレンタイン』は完全にベイカーになりきって自分で歌っちゃってます。
『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』(2015)
『アベンジャーズ』シリーズ等で活躍する俳優ドン・チードルの初監督作品。
マイルス大好きなドン・チードルが監督、脚本、主演までやってしまった映画ですね。
事実をもとにしているのかしていないのかはさておきエンターテイメント・コメディとしては非常に面白い映画です。
ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター出演!
『私がモーガンと呼んだ男』(2016)
Netflix で配信中!
内縁の妻ヘレン・モアに銃で撃たれ死亡する天才トランペッター、リーモーガンのドキュメンタリー映画です・・・というか犯人のヘレンさんのドキュメンタリー映画といっても過言ではないような。
このヘレンさんのインタビュー・テープを軸に映画は進行していきます。
まー、映画の内容は置いといて、この映画ではなかなか拝見することのできないモーガンの演奏シーンやプライベート・シーンが、モーガンはファッション・センスも抜群でなんとオシャレなことでしょう。
貴重な写真や映像、資料が盛り沢山!!
これだけで満足できます。
ちなみにこの映画は大阪は十三の第七劇場という映画館で見たのですが、十三、なんていい街なんだ。
立ち飲み屋や居酒屋が所狭しと立ち並ぶ歓楽街。
安くてうまいアテが沢山!
駅前の立ち食いうどんですらうまかった。
『コルトレーンを追いかけて』(2016)
Netflix で配信中!
デンゼル・ワシントンのナレーションによるコルトレーンが過去のインタビューで残した言葉とコルトレーンと交友のあった人物、又影響を受けた人物の証言を挟みつつコルトレーンの音楽、精神の進化、私生活などを時系列にそって追いかけていくドキュメンタリー映画。
ベニー・ゴルソン、ウェイン・ショーター、ソニー・ロリンズ、マッコイ・タイナー、The Doorsのジョン・デンスモア、コモン、カマシ・ワシントンにビル・クリントンまで登場。
後半、来日し被爆地長崎を訪れ原爆記念碑の前で祈るコルトレーンや長崎で「ピース・オン・アース」を演奏する写真や関係者の解説に多くの時間を割いていたのには好感が持てました。
貴重な写真や映像、その中には笑顔のコルトレーンも多く、ドキュメンタリー映画としてもよく出来ており、感動も与えてくれる良い映画でした。
『ブルーノート・レコード ジャズを超えて』(2019)
創立80周年を迎えたブルーノート・レコードの歴史を振り返り、長きにわたりジャズをリードしつづける革新的レーベルの真実に迫るドキュメンタリー映画。
ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターから現行ジャズのロバート・グラスパーやケンドリック・ラマー、ア・トライブコールド・クエスト、テレス・マーティン等ヒップ・ホップ勢も登場し、劇場には古くからのジャズ・ファンであろうご年配のお客様も多数来られてましたが、こういう展開を理解されているでしょうか?と少しお節介な心配をしてしまいました。
ジャズとは常に進化していく音楽。
ハードバップ命な頭の固いジャズ・マニアの方々は置いてけぼりを食うかもです。
『ビル・エヴァンス タイム・リメンバード』(2015)
ビル・エバンスの生涯を追ったドキュメンタリー映画、ということですが昨年日本公開していましたがなんやかんやで見逃してしまいました。
あー、見たい、見たい!
と、ここまで僕の独断と偏見でジャズ映画を選んで簡単に紹介しましたが、『あの映画が抜けてるじゃないか!」、とか「こんなのはジャズ映画じゃないだろ!」とかご意見あるかもしれませんが、僕の聞く耳はもちません、あしからず。
現在 Netflix や Amazon prime で配信中の映画もございます。
ジャズを題材にした映画はファッションやカット割、編集、ヴィジュアル、勿論音楽など凝った映画が多いです。
ジャズ・ファンの方もそうでない方も楽しめると思います。
これからの秋の夜長、ご覧になられては。